シジュウカラ 繁殖 2回。 シジュウカラの卵 (京都九条山の自然観察日記)

カラ類の繁殖生態 ~シジュウカラの営巣から巣立ちまで~ » 小泉研究室

シジュウカラ 繁殖 2回

この記事では毎回、研究者自身に、発表した英語論文について解説してもらいます。 今回は、乃美大佑さんに論文を紹介してもらいます。 乃美さんは北海道大学大学院環境科学院生物圏科学専攻動物生態学コースの小泉逸郎准教授の研究室でシジュウカラを対象にして研究を行い、博士号を取得しました。 解説してもらう論文は2018年に、伝統的な鳥類学雑誌である英文誌 Ibisに掲載されました。 この論文では、子育て期間における雄親の貢献度について、複数回繁殖の観点から研究しています。 【加藤貴大 編】 紹介する論文:Nomi D, Yuta T, Koizumi I 2018. Male feeding contribution facilitates multiple brooding in a biparental songbird. Ibis 160:293-300. 「イクメン」という言葉が聞かれるようになって久しいですね。 日本でも徐々に育児休暇を取得する男性が増えていると聞きます。 以前、という繁殖における雄の重要な役割について、モズを対象とした遠藤幸子さんの研究がバードリサーチニュース7月号で紹介されていました。 今回はさらに、イクメンな鳥の雄ほど次の繁殖機会を得やすくなるのでは?という話をします。 多くの鳥は一羽の雄と雌がつがいになって子育てをします。 この理由として一方だけで雛を育てると、繁殖がうまくいかなくなるといわれるためです()。 雌一羽でも育てられるなら、雄は子育てをするよりさっさと別の雌を探した方が自分の子どもを多く残せるはずです。 とはいえ、この説を検証しようとすれば、年に一度しか繁殖しない種では少なくとも2シーズン分のつがい関係を追わねばならず、多くのデータを集めるのは大変です。 そこで、1シーズンに2回繁殖するシジュウカラを対象に調査を行いました。 調査は北海道大学苫小牧研究林で行いました。 私は2012年から調査に加わり、今回の研究はここの特徴である高い複数回繁殖率を活用したわけです。 調査では、親鳥の行動を観察するため、子育て中の巣箱の前にビデオカメラを設置し、雛が孵化してから10日前後に雌雄の給餌回数を5時間ほど記録しました(図1)。 調査とその後の分析の結果、1回目の繁殖を行った55ペアのうち、23ペアが2回目の繁殖を行い、雄の給餌割合が高いペアほど雌が2回目の繁殖をした割合が高くなる傾向が見られました(図2)。 給餌回数ではなく割合を用いたのは、巣ごとに必要な給餌の努力量が異なる(雛の数や繁殖開始時期が巣ごとに異なる)ためです。 例えば1時間に雌雄の合計で30回運んだペアでそのうち10回しか運ばなかった雄と、10回中8回も運んだ雄とでは、後者の方が貢献度としては上であると考えたためです。 本研究から、給餌貢献度の高い、要するにイクメンな雄とつがった雌ほど2回目の繁殖がしやすくなることが示唆されました。 図2.雄の給餌割合(横軸)と雌の複数回繁殖率(縦軸)との関係 Nomi et al. 2018を改変 .実線は統計解析による推定値.円の大きさはサンプル数を表す. もう一つ重要な発見は、雄の貢献度と巣立ち率(孵化した雛のうち巣立った割合)との間には関係がないことが確かめられたことです。 つまり、雌一羽でも育てられるということです。 興味深いケースですが、雌一羽で同じ時期、同じ雛数を子育てしているペアよりも多く餌を運び、雛の体重も平均よりかなり重いというパワフルなお母さんもいました。 北海道のシジュウカラは平均で10羽ほど雛を育てますから大変な労力です。 ただし、というかやはり、つがいの雄がいないため、この雌の2回目の繁殖はありませんでした。 ここで、お気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、厳密には「雌の負担軽減説」を検証したことにはなっていません。 本来ならば、繁殖時期や雛数といった他の要因の影響を排除するために、雄を一時的につがいから隔離するなどの操作実験をすべきでしょうし、他にもいろいろと問題があります。 フィールドベースの研究ではよく「後付け仮説」といわれていますが、種明かしをすると、実は上記とは全く別の目的で親の給餌行動を調べていたところ、たまたまこの傾向を見つけたのです。 もともと調査をしながら「1回しか繁殖しないペアと2回繁殖を行うペアは何が違うのか」という疑問はずっともっていたので、いろいろと解析しているうちに見つけた次第です。 その後、研究としてまとめるために文献を調べていたところ、これもたまたまうまい具合にフィットしそうな話を見つけたというわけです。 最初からこの仮説を知っていたわけではないですし、検証するためにデータをとっていたわけではないのでどうしても足りない部分がでてきてしまいます。 とはいえ、「どんな発見があるかわからない」のも野外調査の醍醐味であると思っていますし、そうした発見に対して「意義づけ」ができればとりあえず研究にはなるのです。 ここにきてなんだか半分読者を騙してしまったような感じになってしまいましたが、話を戻すと、この「負担軽減説」はもっと注目されるべきです。 というのも、この仮説はこれまで雌雄で子育てを行う哺乳類(生物全体から見ればかなり珍しい)が進化した理由の一つとして支持されていました(つまりヒトにもあてはまる?)が、鳥類ではほとんどの種が雌雄で子育てを行うにも関わらずこの仮説が検証されてこなかったからです。 実際、論文が受理されると、様々な国の研究者から問い合わせもありました。 この発見が他の研究者の何かヒントにでもなれば幸いです。 Ardea 100:197-201 Nomi D, Yuta T, Koizumi I 2018 Male feeding contribution facilitates multiple brooding in a biparental songbird. Ibis 160:293-300 著者紹介 乃美大佑(のうみだいすけ) 博士(環境科学) 所属:いであ株式会社 大阪支社 生態保全部 シジュウカラの複数回繁殖率に関する研究で博士号を取得。 現在は環境コンサルタント会社に勤務し、西日本を中心に全国各地を飛び回り鳥の調査を行っている。 最新の記事• 記事区分• 過去のニュースレター• 認定NPO法人 バードリサーチ 〒180-0034 東京都府中市住吉町1-29-9 E-mail:.

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シジュウカラの卵 (京都九条山の自然観察日記)

シジュウカラ 繁殖 2回

留鳥 雑食 雑食であるシジュウカラは、「種子」「木の実」「昆虫」「クモ」を餌にしています。 樹上はもちろん地上に降りて虫を採ることも多く、食葉性の幼虫などを好んでたくさん食べますよ。 留鳥 留鳥なので基本的には「渡り」を行いませんが、寒冷地に住む個体や食べるものがない時は「渡り」をすることもありますよ。 シジュウカラの分布は?どこに生息している? シジュウカラは東アジアやロシア極東に分布しています。 日本では全国各地に生息し、「山地」「湿原」「市街地の公園」「庭」など様々な場所で暮らしていますよ。 極小規模な緑地でも生息できるため、シジュウカラの数が都市緑化のバロメーターにもなっています。 シジュウカラの鳴き声は? オスメスに関わらず、地鳴きは「ジジジジジジ」など何十通りもあるといわれていますよ。 繁殖期のオスは「ツーピー ツーピー」「ツィピ ツィピ」と高くよく通る声で繰り返しさえずります。 さえずりは春に向けてバリエーションが豊富になり、多いほどメスに人気といわれていますよ。 巣箱を設置して、シジュウカラを観察しよう! シジュウカラの観察を考えているのであれば、庭先などに巣箱を設置することをおすすめします。 ただ、シジュウカラは巣箱の中に前の時に使った巣が残っていると新しい巣をつくりません。 巣箱の中に巣作りをしていたら、雛育が終わったあとに巣を取り除くようにしてくださいね。

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シジュウカラの卵 (京都九条山の自然観察日記)

シジュウカラ 繁殖 2回

シジュウカラ繁殖記(2001年初夏編) シジュウカラ繁殖記(2001年初夏編) 背景の画像はシジュウカラ 原画集は にあります。 まとめ 巣は5日でほぼ完成する 巣材はおおざっぱにコケと、シュロ状の長い繊維と、獣毛だ。 下のグラフで見るようにコケは2日で大部分を運び終える。 12日は102回コケを運ぶのを見た。 早朝の数回の巣材運びを見のがした可能性はある。 コケ運びが終わる頃、シジュウカラはシュロのような固い繊維を運ぶ。 12日に2回、13日には3回運んだ。 で、直径が1mm以上もある。 シュロだとか枯れた草の茎だとかだ。 シジュウカラはいつも運び入れるのに苦労する。 巣穴に首を突っ込んでは反動で振り落とされる。 何度も何度もトライして繊維を曲げ運び入れる。 無事に巣入りした時は思わず拍手だ。 次回巣を撤去した時に良く観察するつもりだ。 獣毛運びはだらだらと続く。 13日に19回運び小さなピ-クがある。 孵化した日から逆算するとこの日に初卵を産卵したらしい。 グラフは17日までのものだが、21日までに獣毛を計72回運んだ。 29日1回、30日にも3回観察した。 その他にもわずかだが運んでいるはずだ。 過去の例では寒くなると獣毛を運び始める。 これは青の棒グラフが示すように巣材運び1回当たりの巣での滞在が長くなるためだ。 獣毛を運びながら巣を成形しているものと思われる。 16日は観察していないが5日で巣はほぼ完成したらしい。 コケ67. 12日は8時台、それ以降は7時台中心に巣材を運んだ。 ただし塒に入った時間は除いた昼間の活動のみだ。 棒グラフは1日に巣の中で過ごした時間の合計を、折れ線グラフは出入りする1回当たりの平均の在巣時間を示している。 両グラフの高さをそろえて比較しやすくしてある。 棒グラフが折れ線グラフより高くなっている個所は、シジュウカラの飛来頻度より相対的に巣の中にいた時間が長い時期だったと言える。 折れ線グラフの最初の山の左はコケを運ぶのに忙しかった時だ。 1日〜7日まで折れ線グラフがだらだら下がっているのは、次々に卵が孵化したからだろう。 もちろんこれは必ずしも毎日卵が孵化したからではないだろう。 それでもヒナの誕生にはかなりのバラツキがあると思われる。 運んだムシは約1700匹 1日にムシを運ぶ回数(給餌回数)の推移をみたのが次のグラフだ。 なおシジュウカラは1度に1匹しかムシを運ばないので給餌回数は、運んだムシの数に等しい。 観察できなかった日があるので給餌回数のピークがどこだったのかは不明だが、観察では6月8日の125回(125匹)が最高だった。 運んだムシの総数を知ろうと放物線をあてはめて、足りないデータを補間して推計すると約1700匹だった。 親鳥は日の出から、日の入りまで規則正しくムシを運ぶ ヒナに給餌する時間帯についても調べた。 各時間帯に渡って一様になっている。 グラフに日の出と日の入り時刻をシャドウで示したが、日の出と共にムシを運び始め、日の入りと共に1日の給餌活動を終えているのが分かる。 6月8日、延べ6メートル以上もムシを運んだ ムシの頭数だけでなく大きさをふくめた量を測ろうと、大胆だが巣入りする時に親鳥が持って来たムシの長さを目の子で測ってみた。 ハス斜に置いたカメラでとらえた映像なので不正確なのは承知の上だ。 もちろん暗い時や、ムシが陰になればカウントできない。 1cm刻みで気合いで測ってしまったのだ。 比較のため給餌回数を棒グラフで表現し、ムシの延べ体長をピンクの折れ線で描いた。 不明は除外した。 6月8日には延べ6メートル以上もムシを運んだことになった。 1日に運んだムシの平均体長の推移をグラフ化した。 ヒナの成長と共にだんだん大きなムシを運んで来る。 しかし限界があり11日以降はカーブが飽和する。 0cmであり、これ位がシジュウカラの運べる手ごろな大きさなのだろ。 給餌するムシは2cm と6cm に山がある分布 給餌するムシの総数を体長別に集計してみた。 2cm と6cm に山がある分布となった。 2cm周辺の分布はアオムシの他にクモ、サナギ、バッタなど種類が多様なためと思われる。 6月11日以降給餌の回数が減ったにもかかわらず、糞出し率は上昇した。 なお巣立ち日の給餌回数の低下は巣立ったことと途中観察中断があったからだ。 巣立ち日に糞出し率が低下した 糞出し率を給餌の量でも比較してみた。 給餌回数にムシの体長を掛けて表現したのがムシの延べ体長である。 ここでも巣立ち日の糞出し率の低下が目に付く。 糞出し率は昼から夕方にかけて増える 毎日の時系列の累計糞出し率を見てみた。 ヒナは朝方糞を出しいったん休止してから、夕方にかけて再び糞出し率が上昇するようだ。 特に5日と14日は昼のディップが大きかった。 巣立ちの日もこのパターンだったのかも知れない。 また14日と巣立ち前日16日、夕方にかけて糞出し率が急上昇したのが目に付く。 11日と16日は朝方の糞だし率が低い。 糞出し率を知れば孵化後の日数が分かる 孵化してから(糞を出し始めてから)の日数と1日の糞出し率の関係をグラフにした。 なお巣立ち日のデータは前述のように特異データと思われるので除外した。 ほぼリニアに毎日糞出し率は上昇する。 ここでは手軽に3次曲線を当てはめてみた。 糞出し率を知れば孵化後の日数が分かる。 シジュウカラ繁殖記(2001年初夏編).

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